○魚の飼育を始めて間もない方に多いご相談 ○水の透明度が悪く、なんとなく白っぽい。毎日魚が死んでしまう。 |
○水槽の立ち上げ1~2週間の時期に相談にこられる事が多い。 ○排泄物や、残滓がアンモニアに変わり、濃度がピーク(2週間)少し前にバクテリアのニトロソモナスの働きで亜硝酸塩に変わっていく。 バクテリアの補給が大切な時期。 そして増えた亜硝酸塩が、ニトロバクターの働きで、硝酸塩に変わって行き、5週間でようやく安心して魚を飼育する環境が出来てくる。 ただし、6ヶ月、1年経って硝酸塩も多くなり過ぎると、生体にとって、有害だし、PHも下がってくるので、水替え回数を多くしたり、バクテリアを大幅に減らさない範囲で濾材の部分的な交換も必要になってくる。アンモニアや亜硝酸は魚の生体活動を阻害し、水環境も悪化し、魚の病気が早く進行してくる。 ○魚の病気治療のため本水槽へ投薬すると、少ないバクテリアがダメージを受け、水質が更に悪くなるので、注意が必要です。 本来は魚は別のタンクでトリートメントした方が良いのですが、現実は飼育水槽で薬浴する事が多いと思います。 水草等に良くない薬もあるので、良く説明書を読んでください。 活性炭やゼオライト系の吸着材は取り除いておいた方が良いでしょう。 ○薬浴することにより水質が悪くなると、水がどんよりしてきます。 こんな時は、調子の良い水槽があれば、使用中の濾材の一部と、水を少し借りてきて薬浴中の水槽に使用すると、水の回復がとても早く魚にダメージを与えずに済みます。 こんな時のために、アンモニア試薬や、亜硝酸試薬を用意しておけば、バクテリアが今どんな状態にあるのか(水が良いか悪いか)一目瞭然です。 | |
○金魚すくいの魚を入れたら他の魚もボロボロになって死んでいく ○病気の治療法は? |
○夏場の高水温期には、溶存酸素も少なくあっという間に細菌性の病気に感染して、ボロボロになって死んでしまうので細心の注意が必要。 ○どうしても本水槽で薬浴する場合は、川魚等で薬に弱い種類の魚が居るので注意して薬をしようする。 ○60㎝水槽ではまず水温に注意して、1/2~1/3の水替えをしてから病状に合わせた薬で薬浴する。(水草に使用してはいけない薬もあるので注意) ○粗塩0.5%(60cm水槽で285g・・・・300ccカップ1杯)グリンFリキッド、メチレンブルー等 ○薬浴のため、濾過バクテリアも幾分のダメージを受け、水中に亜硝酸や、アンモニアが出て来ます。これの濃度を薄める為薬浴して3日目に1/3程度の水換えを行い、減った薬の分量を補充する。 ○古代魚の場合薬に弱いと言われているのでなるべく使用しない。(1/3量以下であくまで自己責任の上で使用) ○薬浴中は1週間~10日は様子をみる。出来れば、アンモニア、亜硝酸のチェックをする。 ○治療中は、原則断食だが、水質や、水温、魚の消耗を考えて少しは与える場合もあります。 ○同時使用の出来ない薬に注意(塩とホルマリンなど) | |
○大きな問題点は、水槽の立ち上げ時と違って既に沢山の魚が入っているので、アンモニアや、亜硝酸もすぐ高濃度になる。 元通りバクテリアが充分繁殖し水が良くなるまで3週間程度は掛かり、魚たちにも、飼育者にもつらい日が続く。 ○対策としては、水替えの回数を多くして、バクテリアを度々追加します。 他に、調子の良い水槽があれば、そこから濾過のウールや、水を貰って投入するのが一番です。これで簡単に解決する事ができます。 | ||
○水槽に治療薬を入れたら余計悪くなった。 ○うっかりして、ヒーターの断線に気づかなかった。 |
○水温が下がったり、バクテリアが少なくなって、水質が悪化すると簡単に白点病が発生しやすい。 ○水槽が大きい場合は、ヒーターをダブルで使用する。 ○安全装置の入ったサーモスタットか、空焚き防止の安全ヒューズの入った物にする。 | |
ディスカスや、金魚、大型魚の掛かり易い病気のパターン ○目玉が白濁 ○肌荒れ |
○長期間の飼育による、バクテリアの硝化活動等で、濾材や、底砂に窒素酸化物が蓄積し、限界までPHが下がってしまった。(水は見た感じだけは凄く透明度がある) ○濾材を部分的に新しく更新していく(一度にするとバクテリア不足になる。 ○マメな水替え ○PHをあげる為には(硬度の事を言わなければ)各社から発売しているPH調整用の 牡蠣殻又は、珊瑚砂の大きいのを少しいれてやる。 | |
○金魚が転覆し、刺激があれば起き上がり、しばらくすると又、裏返しになる。お腹が膨れ、鱗も立ち気味になる。 |
○水温が低く、PHが低い時になりやすい。温度を掛け、水替えを多くし、濾材の古いのは取り替える。 ○今のところ、特別な治療方は無い。 ○マツカサ病の場合は、パラザンD等を使用してみる。 | |
○品評会に出品する時 | ○前もって鰓病、外部寄生虫は駆除しておく。 ○前もって餌止めしておく事、これは出品者の最低限のマナー、かけがえの無い大切な魚たちを審査の為一緒にするのだから、健康な魚だけを出品してほし。 ○品評会から持ち帰ったら、別の池又は、入れ物で充分トリートメントを行ってから同居させる。 | |
○ついでに |
○魚を飼育している人の中によくあるのが、幾ら水質チェックをしてアドバイスをしてあげても、自分は昔から同じようにやってきたけど今までは死んだ事は無いとか、聞く耳を持たない人が多い。 ○自分の池や魚の事、水替えの日、量とかデータを取っておく。これが一番の上達の近道であり病気予防の秘訣。 ○又、どういうわけか、その年により、5年10年のスパンで、病気の大流行する条件の年があり、なかなか避けられない点もありますが、これを克服する技術も自然を相手にする者の、大きな課題。 | |
○白点病(海水魚) ○外見的には体表や、鰓に0.5mm位の白い粒粒が無数に付。 体表に一杯付いている時期と、離れて、直ったように見える時期があるので、気を緩めないで、10日間は薬浴を継続する。 |
○白点虫が体液を吸収する際の刺激に魚の粘液が沢山分泌、鰓に規制した場合には酸素を取り込む事ができず、衰弱して死亡する場合もある。 イクチオフチリウスと言う繊毛中で、低温時に多く発生、成長すると、魚体から離れ、底に沈んでシストを形成死、数千に分裂増殖しやがて仔虫は袋を破って水中に泳ぎ出す。これらが水中に浮遊している時期しか薬が効かない。 この時期に薬浴していく事になりますが、この時期が、ずれるので、結果10日間くらいは水槽の中に、駆虫薬の成分がないと仔虫を全部殺す事はできません。 ○淡水魚では、グリンFクリア、メチレンブルー溶液をしようします。 錦鯉等では水量が莫大なので、かってはメチレンブルーを1PPM又はマラカイトグリーンを0.1PPMで使用したことがありました(発がん性があるといわれています。) ○海水魚関係では硫酸銅を使用して白点病の治療をします。 ※硫酸銅試薬、天秤ばかり、銅テスター、点滴容器又はエアーのチューブで点滴します。 ※薬浴の濃度は、0.25~0.2ppmを10日間維持する。 ※300Lの海水なら ①0.3(ton)×0.25×4=0.3 つまり、最初0.3gの硫酸銅を計り、ペットボルにぬるま湯で溶解し、エアーチューブで点滴する。(注射器で吸引) ②試薬で残留濃度を測定して、薄くなった分量を追加します。翌々日位に銅濃度を測定して、0.15ppm有ったなら0.25-0.15=0.1ppm薄まった分を追加点滴します。 ※0.1×4(係数)×水量(トン)....つまり水量300Lとすると0.3(ton)×0.1×4(硫酸銅試薬に含まれる有効銅濃度が1/4だから4倍かける)=0.12g ※つまり、0.12gの硫酸銅試薬を天秤はかりで計って水でうすめ、点滴する。 これを10日間、2日に1回繰り返す事になる。 ※これは、5年くらい前まで自分で行っていた方法だが、いまは、環境を良くして、自然治癒にまかすか、グリンFゴールド顆粒で薬浴1週間位行う。(別のタンクで、数日おきに、アンモニア濃度を測り、検出したときは、水替えをして薬の応分を追加する。 ※当店では硫酸銅試薬は扱っていません。 ※手に入れるのも印鑑や申し込み書が必要だと思います。 ※毒性に注意 ※無脊椎は使用しない。 ※薬浴中は、バクテリアがダメージをうけ、亜硝酸が若干検出されると思いますので、充分注意してください。0.3mg/L以上検出された場合は、ある程度の量の水替え、活性炭による吸着も必要 ○別水槽や、バケツなどで小さい魚の白点を治療する場合は、グリンFゴールド顆粒を規定の1/2位で使用してみてください。 3日目にバケツの水を1/2交換して応分の薬の追加をしておきます。10日間が目安です。 | |
○イカリ虫(金魚、錦鯉) ○鱗の間、鰭の付け根、時には口の中まで付くことがある。 0.5mm~1cmの半透明のイカリの形をした外部寄生虫。 錦鯉などで多い場合は数百のイカリ虫が付くことがある。 |
○水産用マゾテンを池水1トンあたり、2.5cc散布する。1週間おきに、3度散布する。 ○体表に付いた親虫はマゾテンでは死にません。寿命が付き、体表から取れるまでには何回も産卵を繰り返すのでその水中の薬の濃度を保つと、その間に生まれた仔虫が死んで次の代が居なくなると、薬浴期間は終わります。 ※水産用マゾテンの濃度が濃すぎると、魚の神経系が麻痺して、体が曲がったり、痙攣して泳ぐようになり、観賞価値がなくなってしまいます。 ※又アロワナ等の古代魚に使用する事は厳禁です。 | |
○魚ジラミ(ちょう) (金魚、錦鯉) ○体長4mm前後の、半透明な形の外部寄生虫 ※淡水魚、熱帯魚につくこともある。 |
○自然界の魚に規制している。 水槽の中で魚体を離れ泳いで、他の魚にも寄生する。 体表に付いて体液を吸い、毒素を注入するので、痒がって体を擦り付けるので、二次的に鱗のぬめりが取れて細菌性の病気も入りやすくなります。 酷い時は患部は潰瘍のようになり、出血、細菌性の病気になることもある。 ○池で薬浴する場合 水産用マゾテンを池水1トンに対して2.5cc散布します。1週間おきに2~3回散布する。 ※春先や季節の変わり目などは他の細菌性の病気も発症しやすいので、マゾテンと一緒に細菌性の病気の治療薬のエルバージュを、池水1トン当たり1~2g同時使用します。 ※この他に一緒に池水1トン当たり食塩5kgを投入します。これは3種混合と言う治療方で、金魚、錦鯉ではごく一般的な治療法です。 | |
○原虫トリコディナ ○300倍程度の顕微鏡ではっきり観察できます。まるでUFOのようで、体の廻りに規則正しい繊毛が生え、これを使って活動する。 体液を吸収する。 |
○池水1トン当たりホルマリン25cc投入で効果有り。 ※5~6月に錦鯉の稚魚に付き、大量死の原因になる。 | |
○吸虫ダクチロギルス、ギロダクチルス | ○水産用マゾテン 水1トン当たり2.5ccで使用 | |
○鰓病 ○水面にぼやっと浮いている。 ※急に狂ったように泳ぐ。 ※片方の鰓が動かない。 ※鰓が腫れている ※鰓が灰色っぽい |
○金魚、錦鯉の場合 ※羊歯のようにいりくんでいる鰓葉が、腫れて凸凹が無くなり血色が悪く、部分的に灰色っぽくなる。 ※細菌のカラムナリス菌によるもの ※グリンFゴールドリキッド、パラザンD等を規定の1/2で使用。又は、水1トンに対して、観賞魚用エルバージュ2gと、粗塩5kgを散布。1日は完全に薪水を止めて、エアレーションを多くしてやる。前もって絶食させておく。 | |
○穴あき病(錦鯉) ○体表が、えぐれたように穴が開き、肉が見える。 |
○原虫のエピステリスや、単生虫キロドネラが体表を食害した後にエロモナス菌に感染して起こる場合あり。 ○パラザンD又は、グリンFゴールドリキッド ○金魚、錦鯉には水1トンに付きエルバージュ2gと粗塩5kgと、水産用マゾテン2.5ccの三種混合で行う。 ※三種混合で毒性が強くなるので、水量も薬も正確にして行う事。 ○模様が命の錦鯉においては、治癒しても鱗が不揃いだったり、直ったあとの色素がなくなって白くなってしまうと観賞価値がなくなってしまう。 早く発見して症状が軽い内に治療する事が肝心。 |