油膜の事
泡と油膜
「水の泡」・・・・今までの努力や希望が無駄になり、何も残らなくなる 様を表現する日本語の慣用句です。水の泡、水泡に帰す。とか、良いイメージでは使われない言葉があります。
ですが、軽く見て良いのでしょうか?泡は私たちアクアリストに大切な情報を伝えているのかもしれません
魚や観賞するのに油膜が浮いてくるとスッキリ感がなく、見た感じが良くありません。又、水替えを怠ったり、ずっと使用してヘドロまみれの濾材、収容力以上の魚が入っているのに、それに合わせた水管理をしていない等々、餌を多く与えると水中に溶けた餌の蛋白分や、魚体のぬめり、バクテリアの死骸、排泄物が油膜となって水面に幕を張り酸素の取り込みを妨げます。
泡は、表面張力によって形成されるうすい膜であり、これによって水分子が強く引き付けられ、泡にも一定の電荷があるため、吸着する物質の性質自体によって、静電気的な相互作用によって吸着される事も有ります。
皆様も水面の泡の具合で、水の交換時期を判断されていると思います。
なにより、水がスカッと抜けて綺麗にみえません。エアレーションや、水流を強くしたり、水面を波立たせたりすれば油膜は水中に溶け込んで、油膜は無くなりますが、そんな状態では、今度は上見の魚は水面が波立って観賞がしにくくなります。
そんな訳で、何とかこれを解決出来ないかと考えました。
揚水の水中ポンプRIOに接続するパイプに上水と底水の両方を吸い込む装置を作ってみました。上水と、底水の吸い込む水の量を調節する事が出来れば良い筈。ただ飼育タンクの水位は何時も一定と言う訳では無いので上水取水の位置を変えられる装置が必要です(熱帯魚水槽用のサーフェーススキマーはフロート式ですがこれが、なかなか曲者で、常時働かせるには気をつけていないと、小さな魚を吸い込んだり、枯れ葉などで目詰まりして取水が滞ります)
外のたたき池で、新水常時注入の池では、皆さん多くの方は、底水排水に合わせて上水も排水されていると思います。しかし、屋内の排水設備のない水槽や、容器では、ポンプで
底に近い水をろ過循環していて、上水と底水を同時に処理しているところは見たことがありません(オーバーフロー水槽は両方できますが)
海水魚、サンゴ水槽においては、プロテンスキマーと言って本濾過に掛かる前の水槽の水の蛋白分、不純物を極小のエアレーションを使用して除去する装置が一般的です。これは、海水ならではの水中のたんぱく質や、不純物が泡に付着する際に、表面張力が働く事で取り込むことが出来ます。
淡水魚のナンキンを収容する400L程の容器に海水魚用のプロテンスキマー持ち込んで水面の水をスキマーにかけて見ました。海水では極小の泡に乗せて黒い汚れが簡単に作れますが、淡水では水の粘度のせいなのか、海水の様に極小の泡が作れず、5日運転しても全く除去できませんでした。所が、試験的に3個作成した油膜を吸い込む仕掛けの内の一個だけが表面に浮いた泡をまとめて、小さなカップに取り除く(濾過器で処理しなくても)事が出来ました。固まった汚れは、濃縮して、容易に水に溶けません。ろ過する前に取り除くか、濾過器を経由するのかは、メンテナンス場も大きな違いが出て来ます。
後日、作成の経過を画像でお見せしますので、面白いと思った方は制作してみてください。うまい具合に簡単で、売れそうな装置にならないかと考えたりしています。